元日本一のニート、phaさんの本をKindleで

「日本一のニート」として名高かった（今はニートの年齢を外れた）phaさんをご存知でしょうか。ギークハウスプロジェクトというシェアハウスを立ち上げ、テレビにも何度か出演され、最近ではBRUTUSに掲載されたphaさんの人生哲学に学ぶことは多いです。特に仕事や家庭、所有といった従来の社会規範が生きづらいと感じる人たちから注目を集めるphaさんは、共著も合わせると既に5冊もの本を出版されており、今月は新たに「知の整理術」という新刊が出る予定です（12/16発売、未Kindle化）。そんなphaさん入門ということで、ここではKindle化されている書籍を紹介していきます。

pha公式サイト

phaの日記

pha｜note

BRUTUS (ブルータス) 2018年 1月15日号 No.861 [危険な読書] [雑誌]

ニートの歩き方

記念すべき一冊目は「ニートの歩き方」。こちらは2010年代前半までに、ブログで書かれていたテーマを加筆修正された内容です。元々会社員だったphaさんが退職した後に見出した、インターネットやSNSを用い、シェアハウスで生活することにより、お金がなくても楽しく暮らすための方法論と哲学が紹介されています。生き急ぐことに疲れたら、一度目を通してみることをおすすめします。テーマごとに短くまとめられており、短時間でサクサク読み進めることができる入門書としてうってつけの本です。

ニートの歩き方　――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

持たない幸福論

二冊目にして至高の内容となっている「持たない幸福論」は、これまでのテーマからやや踏み込んだ人生論となっています。大まかなテーマは「働きたくない」「家族を作らない」「お金に縛られない」という現代社会の呪縛からいかにして解き放たれるかという内容。専門書からの引用も含め、これまでにブログ上で触れられていたテーマをより深く発展させたphaさんの人生哲学を伺うことができます。

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎文庫)

しないことリスト

チェックリストが並べられているだけの本かと思いきや、しっかり内容の詰まった本でした。以下Amazonの内容紹介。

これが、ラクを極めた人の「頭の中」。所有しない、努力しない、期待しない…。本当はしなくてもいいことを手放して、「自分の人生」を取り戻そう。仏教の教えや哲学者の言葉などを引用しながら提案する「ラクしたい人」の脱力系自己啓発書！

しないことリスト

フルサトをつくる

「ナリワイをつくる」を書かれた伊藤洋志さんとの共著「フルサトをつくる」。伊藤洋志さんとphaさんは一緒にイベントを行ったりもされていました。phaさんと伊藤さんはある意味で対象的な人同士ですが、「フルサト」という部分に共感しながらそれぞれの生き方を提唱されています。以下Amazonの内容紹介。

暮らしの拠点は１か所でなくてもいい。都会か田舎か、定住か移住かという二者択一を超えて、「当たり前」を生きられるもう一つの本拠地、“フルサト”をつくろう！多拠点居住で、「生きる」、「楽しむ」を自給する暮らし方の実践レポート。

フルサトをつくる 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方

『フルサトをつくる』目次と「はじめに」を公開します - phaの日記

ひきこもらない

こちらは幻冬舎plusで連載されていた「移動時間が好きだ」をまとめた本。これまでの本とは趣が異なり、外に出てゆるく活動するphaさんの様子が伺えます。「外で遊ぶ」とき、人が羨むことを目指したり、既成の「楽しい」価値観にとらわれていませんか？本当に自分が楽しめていますか？自分の楽しさだったり、楽なことを忠実に突き詰めたphaさんなりの「ひきこもらない」暮らしが紹介されています。以下Amazonの内容紹介。

家を出て街に遊ぶ。
お金と仕事と家族がなくても、人生は続く。
東京のすみっこに猫2匹と住まう京大卒、元ニートの生き方。

世間で普通とされる暮らし方にうまく嵌まれない。例えば会社に勤めること、家族を持つこと、近所、親戚付き合いをこなすこと。同じ家に何年も住み続けること。メールや郵便を溜めこまずに処理すること。特定のパートナーと何年も関係を続けること。睡眠薬なしで毎晩同じ時間に眠って毎朝同じ時間に起きること。
だから既存の生き方や暮らし方は参考にならない。誰も知らない新しいやり方を探さないといけない。自分がその時いる場所によって考えることは変わるから、もっといろんな場所に行っていろんなものを見ないといけない。

ひきこもらない (幻冬舎単行本)

pha＜移動時間が好きだ＞ - 幻冬舎plus

読みたい本は見つかりましたか？時系列では「ニートの歩き方」「フルサトをつくる」「持たない幸福論」「しないことリスト」「ひきこもらない」の順で、新しいものほど最近の世相の移り変わりを反映した内容になっています。phaさんの考え方は根本的に変わらないものの、変化していく細かい部分を追っかけて読んでいくのもおもしろい読み方だと思います。